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2023年10月31日  ハンコについて

先日電車に乗って大阪へ行ったのですが、その際に後ろの席に座っていた女性の二人組の会話が聞こえてきました。
聞きたくはありませんでしたが、声が大きくて聞こえてきてしまいました。
その会話の中で、「脱ハンコ」って言ってるけど入会申込用紙とかまだまだ色々な書類に、ハンコを押さないといけないね。いつになったらなくなるのかしら。という内容でした。
「脱ハンコ」は行政手続き上での無駄な押印を見直す事です。それが、脱ハンコ・押印廃止と言う言葉にすり替わり、あたかも全てのはんこがなくなるかと言う誤解に繋がってしまいました。
これは決して大袈裟ではなく、実際にご来店されるお客様の中でも、「はんこはなくなるんでしょ?」と聞かれます。
誤解を解く為に今まで何度も繰り返し、ハンコはなくなりませんよと言ってきました。

今一度、2020年11月5日の加藤官房長官の定例会見の内容をお伝えしたいと思います。
・国民の皆さんの利便性を向上させる観点から、行政手続きにおける不要な押印の廃止を進めている。
・印章、ハンコ自体を廃止すると誤解があるとすれば、それは政府の真意ではない。
・実印や銀行印など本人確認や意志の担保において必要不可欠な印章については印鑑登録制度などに基づき、今後とも残していく。
・廃止するのはあくまで不要な押印、印章・ハンコ自体が廃止とすることではないと言うことを、国民の皆さんにもご理解頂き、また関係業界の皆さんにも政府として丁寧な説明を行っていきたい。
繰り返しお伝えしている事ですが、ハンコはなくなりません。
デジタル化は間違いなく進みますがアナログも必ず残っていきます。
この世の中の全てがデジタルに置き換わることはできないと思います。
デジタルとアナログの対立ではなく、共存と言う観点で考えていきたいですね。

あとハンコを押印する理由についてですが、多くの方が「押印は本人確認」と思われているようですが、それは誤解で、そもそもはんこに本人確認機能は備わっていません。
鈴木と言うハンコを持っている方が鈴木さんとは限りません。
であるならば、なぜ本人確認機能もないのに押印を求められているのか。
それはハンコには意思の確認、意思の担保という重要な役割があるからです。
様々な手続きや契約では契約相手が本人であること、そして本人が自分の意思で望んで契約しているという事実が必要となります。
前者が免許証などによる本人確認、後者が押印による意思確認になります。
ハンコを押すことは「私は確かにこの契約に同意しました」、「自らの意思でこの手続きをします」のような意思を証する意味があります。